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アレルギー性疾患は年々増加傾向にありますが、皮膚に関連したものも多く、皮膚科医の責任や役割がとても重要になっています。まず症状からアレルギー性疾患の疑いがあるかどうかを判断し、次に、必要と考えられれば適切なアレルギー検査による原因検索を行い、それぞれの疾患、症状に合わせた指導や治療を行います。

病名

各種アレルギー検査について

種類 特徴 対照疾患
IgE-RAST 採血によってアレルゲンに対する抗体を測定する検査で、
調べたい種類を選ぶことができます。最高13種類までの抗体検査ができ、約一週間後に結果はでます。
アトピー性皮膚炎
じんましん
食物アレルギー
花粉症
Viewアレルギー39 少ない血液量で一度に39種類のアレルゲンに対する抗体検査が可能です。
ただし39種類はあらかじめ決められています。
アトピー性皮膚炎
じんましん
食物アレルギー
花粉症
TARC アトピー性皮膚炎の重症度評価に使用する血液検査です。
皮膚の表面だけではなく、アトピー性皮膚炎が本当に改善しているのかを数値で確認することができます。
アトピー性皮膚炎
プリックテスト 腕にアレルゲンエキスを付けて針で浅く刺し、
その反応を見る検査です。検査後15分後に判定します。
アトピー性皮膚炎
じんましん
食物アレルギー
薬疹、花粉症
パッチテスト 検査したいものをパッチテスト用絆創膏に付けて背中や上腕に貼って、48時間後に剥がした部位の反応を見る検査です。72時間後、場合によっては一週間後にも判定します。 接触皮膚炎
アトピー性皮膚炎
薬疹
金属アレルギー
食物除去試験 原因と考えられる食物(加工品も含めて)を一定期間(通常2〜3週間)完全に除去して、現在の皮膚の症状が改善するかを確認する方法です。母乳栄養の場合は、お母さんの食事内容からも除去する必要があります。 食物アレルギー
じんましん
アトピー性皮膚炎
食物負荷試験 原因と考えられる食物を実際に食べさせてアレルギー症状が出るかどうかを確認する検査です。以前から持っているアレルギーが治っているかどうか判断する場合にも行われます。危険性を伴うため必ず病院・医院で行う必要があります。
(当院では行っておりません。)
食物アレルギー
じんましん
アトピー性皮膚炎

じんましん(蕁麻疹)

突然体のあちこちにかゆみを伴う蚊に刺されたような発疹が出現して、数時間以内に中に跡かたも残さず消失するのが特徴です。中には半日から1日くらい持続する場合もあります。大きさ形も様々で、1mm程度のものや地図状に拡大してほぼ全身を覆うほどになるものもあります。食物のアレルギーで生じる割合は1〜4%程度と意外と少なく、中には細菌やウイルス感染、血液疾患や膠原病などの内科的疾患に起因する場合もあります。ただし1ヶ月以上続く慢性蕁麻疹では、ほとんどの場合原因を明らかにすることはできません。

じんましんの治療

まずは問診や各種アレルギー検査からできるだけ原因、悪化因子を探し、それらを取り除く、または避けることです。ただし上述のようにほとんどの場合は原因を明らかにすることはできません。薬物療法の第1選択は抗ヒスタミン剤の内服になります。多くの場合は抗ヒスタミン薬の内服のみで効果が認められますが、効果が認められない場合は他の抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、漢方薬などを併用する場合もあります。原因が特定できず標準治療でも効果が不十分な慢性蕁麻疹の患者さんには生物学的製剤を投与することもあります。この薬はもともと気管支喘息の患者さんに使われていた薬です。抗ヒスタミン剤はヒスタミンというかゆみ成分をブロックする薬ですが、この生物学的製剤は薬ヒスタミンを作り出すために必要なIgEをブロックする薬で蕁麻疹のさらに根本の原因を抑える作用があります。

生活上の注意点

蕁麻疹の増悪因子となりやすい疲労やストレスをできるだけ溜めないようにする、魚介類や肉類はできるだけ新鮮なものをとるようにする、防腐剤や色素を含む食品を控えめにする、などがあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、他のアレルギー疾患と同様に近年増加傾向にあり、特に成人の重症例の増加が目立っています。増加の原因としては、家屋の気密性の向上によるダニ、ハウスダスト、カビなどのアレルゲンの増加、食生活の変化、市販薬によるかぶれ、さまざまな民間療法による症状の悪化、精神的ストレスの増加などが考えられます。また、アトピー性皮膚炎という病名が一般の人々に浸透し、病気についての知識も豊富になってきたため、病院を受診する人が増えていることも増加の原因の一つとして考えられます。

アトピー性皮膚炎の治療の基本

  • 原因・悪化因子の検索と対策

    悪化因子は、アレルギー反応が関係しているものと関係していないものに分けられます。アレルギー反応が関係しているものには、ダニ、ハウスダスト、食物、花粉などの抗原に対するアレルギー、かぶれなどがあります。アレルギー反応が関係しないものとしては、汗の刺激、せっけんやシャンプー、リンス等の科学的刺激、衣類や髪の毛や引っ掻く等の物理的刺激、精神的ストレスなどがあります。これらの悪化因子は患者さんによって異なりますので、アレルギー検査などによって原因検索を行い、可能な限り明らかになった悪化因子を回避・除去することが大切です。

  • 薬物療法

    アトピー性皮膚炎は改善と再発を繰り返す慢性皮膚疾患です。そのため一時的な治療での完治を目指すのではなく、適切な治療を続けることで症状がコントロールできている状態が維持される「寛解」の状態が最終ゴール地点です。
    アトピー性皮膚炎の治療の主体は炎症を抑えるための外用療法です。炎症の程度によって強さの異なるステロイド外用剤や免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏を使い分けし、補助的に抗アレルギー剤や漢方薬の内服などを行います。特にタクロリムス軟膏はステロイド外用剤の長期使用で生じることがある皮膚の萎縮や毛細血管拡張症などの副作もなく、炎症を鎮める強さもステロイドのミディアムクラスと同等ですので、特に顔面や頸部に強い炎症がある患者さんには有効な外用薬です。

  • 薬物療法の今後の展望

    上述の標準治療を長期間行っているにもかかわらず症状の改善が認めらない難治性のアトピー性皮膚炎の患者さん向けに新しい薬剤が近年続々と開発されています。バイオテクノロジーの進歩により免疫システムのうちアトピー性皮膚炎の発症、増悪に関与する部分だけをピンポイントで効率よく抑制する生物学的製剤やJAK阻害剤などの外用剤、内服薬、注射剤などです。長期にわたりアトピー性皮膚炎で悩まれている患者さんや治療に携わる私たち皮膚科医にとっても、明るい展望が見えてきたと思えます。

  • 紫外線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)

  • スキンケア

    スキンケアの意味には清潔のためのスキンケアと保湿のためのスキンケアがあります。特に皮膚のバリア機能を強化するために保湿剤を使用することは、アトピー性皮膚炎の再発・悪化の防止、寛解の維持のために大変重要とされます。

食物アレルギー

アレルギーとは、花粉やホコリ、ダニなどの異物が体内に入ると、それを除去しようとして体が過剰な反応を起こすことです。しかし体にとって必要な食べ物を摂取した時にも同様な反応が生じることがあります。症状としては、じんましんが出たり、口の中がイガイガしたり、重症の場合は、嘔吐や呼吸困難、意識消失を起こしたり、最悪の場合、生命にもかかわることもあります。日本人全体で1〜2%、乳児で10%、小学生以下で1〜3%ほどの患者さんがいると考えられています。ただし、成長とともに自然に治癒する場合が多く、3歳までに半分が、小学生になるまでに8〜9割の子供が治癒するといわれています。また、食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎や喘息との合併も多いことが特徴です。

アレルギーの対策

まず原因となる食物を特定して、その原因食物を除去することです。
問診や血液検査、皮膚アレルギー検査、食物除去試験や食物負荷試験などを行い、総合的に判断して原因食物を特定します。血液検査で陽性反応が出た食物をできるだけ除去しようとされている方もいらっしゃいますが、実際は原因食物でないことも多く、あくまで総合的に判断することが大切です。不必要な厳しい除去食は、栄養面で悪影響を与え、子供の成長障害が生じることもあるので注意が必要です。
また、近年では、アレルギーを起こさない量の原因食物を少しずつ増量しながら摂取することで体を慣れさせる経口免疫療法も行われるようになりました。

金属アレルギー

金属アレルギーは皮膚科診療でしばしばみられ、金属製品に接触している部分に皮膚炎を生じる疾患です。ピアス、指輪、ネックレスなどの装飾品に限らず、腕時計、ベルトのバックル、ズボンの留め金などによる場合も多くみられます。さらに一見金属とは関係ないような物の中にも実は金属が含まれていて、それが原因で症状が出現することもあります。例えば、皮革製品、セメント、砂、ボールペンのインク、ペンキの中などに含まれるクロムやニッケルなどの金属です。また、歯冠、充填物、ブリッジなどの歯科金属やタバコ、チョコレート、ワイン、豆類などの食品に含まれる金属が局所や全身に皮膚症状を起こすこともあります。代表的な病気として、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、貨幣状湿疹、異汗性湿疹(汗疱)などがあり、全身性に症状が出た場合などはアトピー性皮膚炎との鑑別が難しいこともあります。

金属アレルギーの検査

パッチテスト…多種の金属抗原を48時間背中などの皮膚に張り付けて紅斑出現の有無を確認する方法です。当院でも行っておりますのでご希望の患者さんはご相談ください。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

食物アレルギーは一般に子供の病気と思われがちですが、最近では成人の食物アレルギーも増加傾向にあります。成人型の食物アレルギーには、小児型とは異なる特殊な2つのタイプも存在します。

一つは食物依存性運動誘発アナフィラキシーで、もう一つは後述する口腔アレルギー症候群です。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、原因食物を食べただけでは症状がでないのに、食べた後に運動をするとじんましんなどの皮膚症状が出現して、さらに呼吸器症状、消化器症状、ショック症状などの重いアナフィラキシーを引き起こすこともあります。通常は食物摂取から2時間以内に運動をすると生じることが多く、徒歩、清掃、入浴などの軽い日常的動作やアスピリンなどの解熱鎮痛剤の服用で症状が誘発されることもあります。原因食物は、小麦が約60%と圧倒的に多く、次いでエビ、イカが続きます。また、最近、加水分解コムギを含む石鹸の使用によって感作され、その後の小麦摂取で皮膚症状やアナフィラキシーを起こすケースが多数報告されて注目を集めました。

原因食物

小麦が60%、甲殻類(エビ、イカ、カニなど)が30%を占めますが、その他に果物やナッツ類が原因になることもあります。

口腔アレルギー症候群

一般的な食物アレルギーは原因となる食物を食べることで発症しますが、口腔アレルギー症候群は、花粉が原因でアレルギー体質となり、花粉と共通するアレルゲンを持つ果物や野菜を食べて症状が出るのが特徴です。
症状としては、原因食物を摂取した直後から1時間以内に、口唇、舌、口腔粘膜、咽頭のかゆみやイガイガした刺激感、閉塞感などが出現し、まれに呼吸困難、アナフィラキシーなどの全身症状を起こすこともあります。

特にハンノキの花粉症がある人の約半数に口腔アレルギー症候群があるともいわれています。ハンノキやシラカンバなどのカバノキ科花粉との関連性がある食物としては、リンゴ、モモ、イチゴなど、ブタクサ花粉との関連があるものは、メロン、スイカ、キュウリなどがあげられます。
治療の基本は、原因食物の除去ですが、加熱された食品は摂取できることも多いので、必要最小限の制限にとどめる程度でかまいません。ただし、例外として、カバノキ科花粉-大豆や、ヨモギ花粉-スパイスは、アナフィラキシーを起こすリスクが高いので注意が必要です。

花粉やラテックス(天然ゴム)との関連性のある食物

季節 花粉 関連性のある食物
シラカンバ
ハンノキ
バラ科 リンゴ、モモ、イチゴ、ナシ、ウメ、ビワ、アーモンド
マタタビ科 キウイ
セリ科 ニンジン、セロリ、フェンネル、クミン、コリアンダー
ナス科 トマト、ジャガイモ
クルミ科 クルミ
そのほか 大豆、ピーナッツ、へーゼルナッツ、ブラジルナッツ、ココナッツ
スギ、ヒノキ ナス科 トマト
カモガヤ
オオアワガエリ
ウリ科 メロン、スイカ
ナス科 トマト、ジャガイモ
そのほか バナナ、オレンジ、セロリ
ブタクサ ウリ科 メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ
バショウ科 バナナ
ヨモギ セリ科 セロリ、クミン、フェンネル、コリアンダーなどのスパイス、ニンジン
そのほか キウイ、ピーナッツ
ラテックス バナナ、キウイ、クリ、アボカド、ソバ

花粉症

日本で花粉症患者さんが増加したのは、戦後に植林されたスギが生長し、花粉を多く作る樹齢になったためといわれています。その他、環境汚染やそれに伴う地球温暖化、食生活の変化、住環境の変化、ストレスの関与なども指摘されています。以前と違い、低年齢で発症する人が増えたことや高齢になっても治らなくなってきたことも近年の傾向です。

花粉症対策

最大の対策は、アレルゲンである花粉との接触を極力避けることです。

外出時の注意点

  • テレビや新聞でその日の花粉の飛散量を確認し、飛散量が多い日の外出はなるべく避ける。

  • 外出時はマスク、帽子、ゴーグルを着用し、花粉の付着しにくいナイロン製のコートなどを羽織る。

  • 帰宅時、家の中に入る前に帽子や髪の毛、衣類に付着している花粉を念入りに払い落とす。

  • 帰宅後すぐに洗顔、うがい、できればシャワーを浴びて衣類を着替える。

室内での注意点

  • 掃除をこまめに行う。

  • 空気清浄機を利用する。

  • 加湿器を設置して湿度を上げることで室内での花粉の浮遊を防止する。

  • 花粉の飛散量が多い風の強い日は、窓や戸をなるべく開けないようする。

  • 洗濯ものを外に干さないようにする。

花粉症の治療

  • 初期療法

    花粉が飛散しはじめる2週間くらい前から毎日抗アレルギー剤を内服します。そのシーズンの症状を軽減させる効果があり、特に中等症以上の場合に効果的な方法とされています。

  • 導入療法

    症状が強くなってしまった場合に、症状を和らげるために、抗アレルギー剤の内服や短期間のステロイド剤の内服、さらにステロイド点鼻薬を使用します。

  • 維持療法

    初期療法や導入療法で症状が抑えられた場合、抗アレルギー剤の内服やステロイド点鼻薬を使用してその状態を保つことを目的とした治療法です。花粉の飛散期間中は治療を継続する必要があります。

  • 減感作療法

    アレルギーの原因である抗原(花粉)を、少しずつ量を増やしながら注射していき、体をその抗原に慣れさせてアレルギーを弱めていく治療法です。80%の患者さんで症状が改善するといわれています。治療期間が約2年間と長期になることが欠点です。

    ※当院では減感作療法は行っておりません。

  • 手術療法

    鼻粘膜の一部をレーザーで焼いて、花粉が付着してもアレルギー反応が起きなくする方法です。粘膜は再生しますので、レーザー治療の効果は永久的なものではなく1〜3年間くらいです。

    ※当院ではレーザー治療は行っておりません。

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