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皮膚病の数は非常に多く、中には内臓疾患と関連のあるものや悪性の皮膚疾患も存在します。また、基本的に肉眼的に確認できる症状なので患者さんの精神的不安や負担が大きいことも特徴です。当院では、様々なお悩みにより広く、より深く対応できる皮膚科専門医の資格を持つ医師による診療を行っています。皮膚、爪、毛髪についてのどんなお悩みにできる限り対応いたしますので、ご遠慮なくご相談下さい。

病名

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹とは、脊髄から出る神経節に潜んでいる水ぼうそうウイルスが、加齢、ストレス、疲労などにより免疫が低下することで再活動を始め痛みや発疹を起こす病気です。通常からだの神経の走行に沿って帯状に痛みや発疹がでてくるのが特徴です。日本人では80歳までに3人に1人が発症するといわれ医療機関を受診される患者さんも非常に多く早めの治療開始が肝要です。高齢者や加療開始が遅れた患者さんの中には痛みやしびれが数カ月から数年も残存することもありいちじるしく生活の質(Quality of life)を低下させる場合もあります。このような帯状疱疹を予防するために現在2種類ワクチンの接種が行われておりそれぞれ以下のような特徴があります。

弱毒生水痘ワクチン

  • 弱毒化されたウイルスが含まれており、従来から小児の水ぼうそうの発症予防のために接種されているワクチンです。
    1回の接種で済みますが有効率は約60%、5年くらいで効果が減弱してきます。副反応は比較的軽微です。

不活化ワクチン(商品名シングリックス)

  • 新しい技術により開発されたワクチンです。
    2ヵ月間隔で2回の接種が必要ですが有効率は50歳以上で97%、80歳以上でも90%高く効果も9年は持続することが確認されています。弱毒生ワクチンに比較して副反応が多く、注射部位の痛みや腫れ、その他、発熱、倦怠感、頭痛、胃腸障害などが生じる可能性があります。

※どちらのワクチンを選択するのかはメリット、デメリットを考慮してご自身で決めていただくことになります。

料金表

弱毒生水痘ワクチン 接種費用8,800円
不活化ワクチン
(商品名シングリックス)
接種費用2回で44,000円(1回22,000円)

※2剤とも対象年齢50歳以上
※上記料金は税込価格です。

帯状疱疹

体の左右どちらかに神経痛が起こり、しばらくしてその部位に発赤や水ぶくれができて帯状に広がる病気で、これが帯状疱疹の名前の由来です。原因となるウイルスは子供の頃よくかかる水ぼうそうのウイルスで、水ぼうそうが治ったあとも神経の中に潜んでいて、疲労、外傷、老化、免疫抑制剤の使用などで体の抵抗力が落ちると、潜んでいたウイルスが活発になって症状がでます。症状が出たらできるだけ早い時期に抗ウイルス剤の投与を受けると症状の悪化を最低限に抑えることがでます。

多汗症

多汗症とは、日常生活に支障きたすほどの多量の汗を生じる状態を指します。直接的な原因が不明である原発性と、原因となる疾患が存在する続発性に分けられます。また、発汗する部位によって全身性多汗症と腋窩、手掌、足底などのある特定の部位の発汗が促進する限局性多汗症に分類されます。原因となる疾患としては、感染症、神経性疾患、内分泌疾患、悪性リンパ腫や向精神薬などの薬物の副作用などがあげられます。

全身性多汗症の治療

  • 1)プロバンサインの内服
    ※抗コリン薬で、神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを妨げることで発汗を抑える作用があります。

  • 2)漢方薬の内服

原発性局所多汗症の治療

  • 1)塩化アルミニウムの外用(腋窩、手掌、足底など)
    ※汗を出す汗管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。

  • 2)エクロックゲルの外用(腋窩に限る)
    ※アセチルコリンの働きの抑制作用

  • 3)ラピフォートワイプの外用(腋窩に限る)
    ※アセチルコリンの働きの抑制作用

  • 4)アボハイドローションの外用(手掌に限る)
    ※アセチルコリンの働きの抑制作用

  • 5)ボツリヌスの注射法(腋窩、手掌、足底など)
    ※ボツリヌス菌が作る成分を局所に注射して交感神経からのアセチルコリンの放出を抑制することで発汗を抑える作用があります。

  • 6)イオントフォレーシス(手掌、足底)
    ※手掌、足底を水道水の入った容器につけて電流を流すことで、通電により生じた水素イオンが汗の出口を障害して発汗を抑制すると考えられています。

  • 7)胸腹鏡下胸部交感神経遮断術(手掌に限る)

※治療法の5)6)7)は当院では行っておりません。

ホクロ

当院にはホクロの相談で多くの患者さんが受診されます。中にはホクロとは別のシミや老人性イボであったり、まれに悪性黒色腫、基底細胞癌などがみつかることもあります。
まずは、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を使用して良性か悪性かを判断します。明らかに良性と考えられる場合、治療の希望があればレーザーまたはメスで切除します。良性か悪性か判断が困難な場合や、明らかに悪性が疑われる場合はメスで切除して病理検査を行います。

  • レーザー治療

    局所麻酔後に炭酸ガス(CO2) レーザーでホクロを除去します。当院では、スーパーパルス炭酸ガス(CO2) レーザーという正常組織にはほとんどダメージを与えないレーザーを使用しており、短時間でほとんど出血もなくホクロを除去することが可能です。小さくて平らなホクロの除去に適していますが、隆起しているホクロも除去可能です。

  • メスを使用した切除術

    局所麻酔後にメスを使って切除を行います。直径4mm以下の大きさの場合は、特殊な丸いメスを使用してホクロをくり抜きます。直径5mm以上の場合は、通常のメスを使用して切除後に縫合します。十分な深さまで切除できますので1回の切除でまず再発はほとんどありません。悪性が疑われる場合は病理検査も行うことができます。

ホクロをレーザーで除去した方がよいのか、それとも切除の方が適しているのかは、ホクロの大きさや隆起の程度、ホクロの場所、悪性が疑われるかどうかなどによって判断します。当院ではダーモスコピーによって良性のホクロか悪性の可能性もあるのかを見極めたうえで加療を行っています。ホクロの治療は健康保険が適応できることもありますので保険証をお持ちください。

主なリスク・副作用

  • 数カ月間の赤み・炎症後色素沈着、わずかなくぼみが残る可能性があります。

自費診療・料金表

長径1mm未満 5,500円
長径1mm以上〜2mm未満 9,900円
長径2mm以上〜3mm未満 11,000円
長径3mm以上〜4mm未満 16,500円
長径4mm以上〜5mm未満 19,800円
長径5mm以上 診察時にご相談ください。

※1年以内の再発時や同部位2回目以降の治療は上記料金の半額になります。
※上記料金には診察代、麻酔代が含まれています。
※上記料金は税込価格です。

治療例

  • 治療内容

    局所麻酔後CO2レーザーでホクロを切除して3ヵ月後

  • 費用

    総額19,800円(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、炎症後色素沈着、わずかなくぼみ

  • 治療内容

    局所麻酔後CO2レーザーでホクロを切除して6ヵ月後

  • 費用

    総額円16,500円(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、炎症後色素沈着、わずかなくぼみ

  • 治療内容

    局所麻酔後CO2レーザーでホクロを切除して4ヵ月後

  • 費用

    総額16,500円(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、炎症後色素沈着、わずかなくぼみ

  • 治療内容

    局所麻酔後CO2レーザーでホクロを切除して4ヵ月後

  • 費用

    総額16,500円(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、炎症後色素沈着、わずかなくぼみ

ニキビ・ニキビ痕

ニキビは青春のシンボルといわれ、思春期が過ぎると治ってしまうと思われがちですが、実は成人にもにきびで悩まれる人が非常に多くみられます。仕事上のストレス、睡眠不足、食事の偏り、不適当な化粧やスキンケアなどが悪化因子と思われます。また、にきびの症状は一様ではなく、症状や体質によって治療法も異なります。

治療法

  • にきび菌を減少させるための抗生物質の外用や、角質溶解作用、脱脂作用のあるイオウカンフルローションの外用。

  • レチノイド様作用を有する外用剤による白にきび、炎症性にきびの形成抑制。

  • 抗生物質、ビタミン剤、漢方薬などの内服。

  • ダーマペン4

    ダーマペン4の先端には超極細の16本の針がついており、一度の治療で皮膚に無数の小さな穴を開けることが可能で、これにより皮膚がもともと持っている再生治癒力が高められ、お肌のさまざまなトラブルを肌の奥から改善させてくれます。針を刺すことで皮膚に傷をつけると傷を修復しようと、コラーゲンやエラスチンなどの生成が促進され、ニキビ跡、クレーター跡、毛穴の開き、小じわ、お肌のハリ感の減少などに対しての改善効果が期待できます。

  • ケミカルピーリングやトレチノイン(レチノイン酸)で角質の剥離を行い皮膚の再生を促す方法で、難治性にきび、白にきび、黒にきび、にきび痕に効果があります。

  • 高濃度ビタミンC誘導体のイオン導入

治療例

  • 治療内容

    ケミカルピーリング12回施行後

  • 費用

    総額86,900円(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、乾燥、刺激感、かゆみ、炎症後色素沈着

  • 治療内容

    ケミカルピーリング10回施行後

  • 費用

    総額71,500(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、乾燥、刺激感、かゆみ、炎症後色素沈着

  • 治療内容

    ケミカルピーリング11回施行後

  • 費用

    総額円79,200(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、乾燥、刺激感、かゆみ、炎症後色素沈着

  • 治療内容

    ケミカルピーリング8回施行後

  • 費用

    総額58,850(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、乾燥、刺激感、かゆみ、炎症後色素沈着

  • 治療内容

    ケミカルピーリング8回施行後

  • 費用

    総額58,850(税込み)

  • リスク・副作用

    赤み、乾燥、刺激感、かゆみ、炎症後色素沈着

陥入爪・巻き爪

爪の角が皮膚に刺さり、炎症や痛みを起こしている状態を陥入爪といい、爪が横方向に伸びて筒状に丸く変形している状態を巻き爪といいます。原因としては深爪や先の細い靴、ヒールの高い靴、遺伝・体質や外傷などです。痛みが強い場合、刺さっている爪を切ってしまう患者さんが多くいらっしゃいますが、深爪はさらに症状を悪化させる原因になります。

巻き爪の治療法

  • 超弾性ワイヤーを使用した爪矯正

    爪矯正では約1〜2ヶ月に1回のペースでワイヤーを数回付け替えます。
    症状の強さにもよりますが、軽い巻き爪の場合は1回ワイヤーを付けるだけでも平らな爪になります。
    自費診療になります。

  • フェノール法

    比較的簡単で術後の疼痛や再発も少ない方法です。外来で行うことができて術後すぐに歩いて帰宅できます。
    保険適応があります。

陥入爪の治療法

  • コットンパッキング

    コットンを食い込んでいる爪の下につめる方法で、つめる時痛みがあるのが欠点です。

  • アンカーテーピング法

    弾力性のあるテーピングを爪が食い込んでいる部分の皮膚に固定して、もう一方を指の回りにらせん状に引っ張るように貼って食い込みを軽くする方法。

  • ガター法

    局所麻酔を行い食い込んでいる爪の下に点滴チューブなどを挿入してアクリル樹脂で接着・固定する方法です。短期間で痛みの軽減が得られます。保険適応があります。

  • 爪の形状や経過によってはフェノール法を行うこともあります。

主なリスク・副作用

  • ワイヤー矯正で使用するワイヤーの食い込みによる痛み、巻き爪の再発

爪矯正料金表

診療料 5,500円
再診料 2,200円
超弾性ワイヤー代 1ヵ所 1,100円
手技料 1ヵ所 1,100円

※ワイヤーが取れてしまった場合、前回受診日から2週間以内の受診であればワイヤー代1,100円のみで付け直しいたします。
※上記料金は税込価格です。

じんましん(蕁麻疹)

突然体のあちこちにかゆみを伴う蚊に刺されたような発疹が出現して、数時間以内に中に跡かたも残さず消失するのが特徴です。中には半日から1日くらい持続する場合もあります。大きさ形も様々で、1mm程度のものや地図状に拡大してほぼ全身を覆うほどになるものもあります。食物のアレルギーで生じる割合は1〜4%程度と意外と少なく、中には細菌やウイルス感染、血液疾患や膠原病などの内科的疾患に起因する場合もあります。ただし1ヶ月以上続く慢性蕁麻疹では、ほとんどの場合原因を明らかにすることはできません。

じんましんの治療

まずは問診や各種アレルギー検査からできるだけ原因、悪化因子を探し、それらを取り除く、または避けることです。ただし上述のようにほとんどの場合は原因を明らかにすることはできません。薬物療法の第1選択は抗ヒスタミン剤の内服になります。多くの場合は抗ヒスタミン薬の内服のみで効果が認められますが、効果が認められない場合は他の抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、漢方薬などを併用する場合もあります。原因が特定できず標準治療でも効果が不十分な慢性蕁麻疹の患者さんには生物学的製剤を投与することもあります。この薬はもともと気管支喘息の患者さんに使われていた薬です。抗ヒスタミン剤はヒスタミンというかゆみ成分をブロックする薬ですが、この生物学的製剤は薬ヒスタミンを作り出すために必要なIgEをブロックする薬で蕁麻疹のさらに根本の原因を抑える作用があります。

生活上の注意点

蕁麻疹の増悪因子となりやすい疲労やストレスをできるだけ溜めないようにする、魚介類や肉類はできるだけ新鮮なものをとるようにする、防腐剤や色素を含む食品を控えめにする、などがあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、他のアレルギー疾患と同様に近年増加傾向にあり、特に成人の重症例の増加が目立っています。増加の原因としては、家屋の気密性の向上によるダニ、ハウスダスト、カビなどのアレルゲンの増加、食生活の変化、市販薬によるかぶれ、さまざまな民間療法による症状の悪化、精神的ストレスの増加などが考えられます。また、アトピー性皮膚炎という病名が一般の人々に浸透し、病気についての知識も豊富になってきたため、病院を受診する人が増えていることも増加の原因の一つとして考えられます。

アトピー性皮膚炎の治療の基本

  • 原因・悪化因子の検索と対策

    悪化因子は、アレルギー反応が関係しているものと関係していないものに分けられます。アレルギー反応が関係しているものには、ダニ、ハウスダスト、食物、花粉などの抗原に対するアレルギー、かぶれなどがあります。アレルギー反応が関係しないものとしては、汗の刺激、せっけんやシャンプー、リンス等の科学的刺激、衣類や髪の毛や引っ掻く等の物理的刺激、精神的ストレスなどがあります。これらの悪化因子は患者さんによって異なりますので、アレルギー検査などによって原因検索を行い、可能な限り明らかになった悪化因子を回避・除去することが大切です。

  • 薬物療法

    アトピー性皮膚炎は改善と再発を繰り返す慢性皮膚疾患です。そのため一時的な治療での完治を目指すのではなく、適切な治療を続けることで症状がコントロールできている状態が維持される「寛解」の状態が最終ゴール地点です。
    アトピー性皮膚炎の治療の主体は炎症を抑えるための外用療法です。炎症の程度によって強さの異なるステロイド外用剤や免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏を使い分けし、補助的に抗アレルギー剤や漢方薬の内服などを行います。特にタクロリムス軟膏はステロイド外用剤の長期使用で生じることがある皮膚の萎縮や毛細血管拡張症などの副作もなく、炎症を鎮める強さもステロイドのミディアムクラスと同等ですので、特に顔面や頸部に強い炎症がある患者さんには有効な外用薬です。

  • 薬物療法の今後の展望

    上述の標準治療を長期間行っているにもかかわらず症状の改善が認めらない難治性のアトピー性皮膚炎の患者さん向けに新しい薬剤が近年続々と開発されています。バイオテクノロジーの進歩により免疫システムのうちアトピー性皮膚炎の発症、増悪に関与する部分だけをピンポイントで効率よく抑制する生物学的製剤やJAK阻害剤などの外用剤、内服薬、注射剤などです。長期にわたりアトピー性皮膚炎で悩まれている患者さんや治療に携わる私たち皮膚科医にとっても、明るい展望が見えてきたと思えます。

  • 紫外線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)

  • スキンケア

    スキンケアの意味には清潔のためのスキンケアと保湿のためのスキンケアがあります。特に皮膚のバリア機能を強化するために保湿剤を使用することは、アトピー性皮膚炎の再発・悪化の防止、寛解の維持のために大変重要とされます。

水虫(足・爪白癬)

水虫は足の指の間や足の裏に出る病気と思われがちですが、実は体のいたるところ、例えば、頭、顔、体、手、ソケイ部、爪、毛の中などにも感染する病気です。水虫の症状に似た皮膚病や爪の病気も数多くありますので、疑わしい場合は皮膚科での顕微鏡での検査が必要となります。市販の外用薬をいくら使用しても治らないということでクリニックを受診される患者さんも多くいらっしゃいますが、そのほとんどが水虫とは違う病気です。

水虫の治療

皮膚に感染した場合の治療は主に抗真菌薬の外用になりますが、爪の中や皮膚の深部に感染している場合は抗真菌薬の内服が必要になります。抗真菌薬の内服療法ができない場合は、レーザーによる爪白癬の治療も効果を上げています。いずれの治療も、治療期間は数ヶ月から数年と比較的長く、根気よく治療を続けないと完治にいたらない病気です。

乾癬

乾癬とは少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色のフケが付着し、擦るとポロポロと剥がれ落ちる病気です。全身どこにも出ますが、肘、膝、腰周りなどの擦れやすい部位に出やすいという特徴があります。かゆみを伴うことが多く、掻くことで悪化する傾向があるのも特徴です。
爪の変形や関節炎を伴うこともありますが、通常は内臓まで異常をきたすことはありません。原因はまだ完全にはわかっていませんが、遺伝・体質的な要素に、ストレス、食生活、薬剤などの外的要因や、糖尿病、高脂血症、肥満などの内的因子が加わることで発病すると考えられています。

乾癬の治療

患者さんの症状の程度や生活様式など考えて、外用療法、内服療法、紫外線療法を単独あるいは組み合わせて行います。外用薬としては、ステロイド、ビタミンD3、内服薬としてはビタミンA誘導体(レチノイド)、免疫抑制剤(シクロスポリン、メソトレキサート)を使用します。また、最近ではPDE4阻害剤の内服や生物学的製剤を点滴または皮下注射によって投与するという大変効果的な治療が行われるようになりました。

日常生活で注意する点

  • 皮膚への刺激をなるべく避ける。衣類は柔らかい生地のものを身につけるようにようにして、かゆみがある場合はかゆみ止めの薬を内服する。

  • 風邪や扁桃腺炎などの感染症にかかると悪化することがあるので、なるべく感染症にかからないように気をつける。

  • ストレスをためないようにする。肉体的・精神的ストレスは乾癬を悪化させる原因になるので、スポーツ、趣味などで気分転換するようにしてストレスを発散させる。

  • 食生活に注意する。肉類・脂肪分などのカロリーの高い食事や香辛料などの刺激の強い食べ物はかゆみを増すので避ける。アルコールや喫煙もなるべく控える。

  • 入浴やシャワーは毎日行い清潔を保つ。ただし、ごしごしこすったり、体を温めすぎるとかゆみが増すので注意する。入浴後は出来るだけすぐに薬を外用する。

円形脱毛症

一言に脱毛症といってもさまざまなタイプの脱毛症があり、症状や原因もそれぞれです。例えば、男性ホルモンが大きく関与していると考えられている男性型脱毛症、自己免疫の関与が考えられている円形脱毛症、そのほか内分泌異常、代謝障害、感染症、膠原病、薬剤などに起因する脱毛症などがあります。しかし、多くのひとがそれらの診断、原因対策なしに自己判断で市販の育毛剤のみにたより、思うような効果があげられていないのが現状です。脱毛症の治療はまず的確な診断と原因対策から始まります。

原因としては、遺伝的素因説、ストレス説、アレルギー説など諸説ありますが、最近では自己免疫説が有力とされています。自然治癒も多い単発型のほかに、多発型、頭髪がほとんど脱落する全頭型、頭髪を含め全身の毛が脱落した汎発型などに分類されます。

治療法

  • 局所免疫療法(SADBE療法、DPCP療法)

    一般的な内服や外用治療などで効果が認められない場合に行う治療です。頭皮に弱いかぶれを繰り返し起こす治療で、難治性脱毛症や広範囲の脱毛症に対する有効な治療法です。安全性も高く小児の患者さんにも行えます。人によってはかぶれや全身性の皮膚炎を起こすこともありますので注意が必要です。

  • グリチロン、セファランチン、抗アレルギー剤などの内服

  • フロジン液、ステロイドの外用

  • 液体窒素冷却療法

    液体窒素によって頭皮を刺激して血行を改善させる方法です。

  • 紫外線療法(PUVA、ナローバンドUVB)

    有効な治療法ですが、長期照射による発癌性の問題もあります。より新しいターゲット型紫外線治療器(エキシマライト)は、PUVAやナローバンドUVBに比較して発癌性の危険性も低く良好な治療結果も得られています。

  • ステロイド局所注射

    皮膚萎縮などの副作用もあるため、難治性の小さな脱毛部に行います。

  • ステロイド内服

    長期投与により全身性の副作用もあるため、他の治療が効かない難治例や重症例に行います。

  • ステロイドパルス療法

    発症して間もない患者さんで、なおかつ急激に進行する場合に入院して短期間に多量のステロイドを点滴する方法です。短期間の投与なのでステロイドの副作用は上述のステロイド内服に比較して少ないといわれています。

  • JAK阻害剤

    免疫システムの一部をピンポイントで効率よく抑制することで脱毛を抑える作用があり、脱毛範囲50%以上、過去6カ月程度髪に自然再生が認められない難治性円形脱毛症患者さんに投与される内服薬です。

治療例

  • 治療内容

    SADBEを2週間に1回頭皮に外用して治療開始6ヶ月後

  • 費用

    総額約12,000円(税込み)

  • リスク・副作用

    かぶれ、蕁麻疹、全身性の湿疹

粉瘤(アテローム)

皮膚科診療ではしばしばみられるありふれた疾患で、患者さんから脂肪のかたまりができたとの訴えでクリニックを受診されることがよくあります。実は脂肪のかたまりではなくて皮膚の中に袋状のものができて中に皮膚の垢や皮脂が溜まってかたまりのようになっている腫瘍です。通常自覚症状はありませんが、時々炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴うこともあります。

治療法

基本的には良性腫瘍なのでそのまま放置でも問題はありません。ただしある程度大きくなると見た目の問題や圧迫などによって違和感が出ることもあります。また、炎症を起こすと特に臀部にできた場合などは強い痛みを生じることもあります。炎症を起こしている場合は、局所麻酔下に皮膚切開を行い内部の膿を排出します。炎症を起こしていない場合はメスやハサミなどを使って腫瘍を袋ごと取り出す手術を行います。

当院では、くり抜き法という手術法も行っています。
くり抜き法とはオペ後の傷跡をなるべく目立たなくする方法です。
局所麻酔後に数ミリ大の穴を開け、粉瘤内の内容物を圧出して、その後粉瘤の外側の袋を摘出する方法です。通常の切除術よりも傷が小さく目立たなくなることがメリットです。
炎症が強い場合や過去に炎症を繰り返し癒着が強い場合はくり抜き法ができない場合もあります。

尋常性白斑

皮膚の中にはメラノサイト(色素細胞)が存在し、メラニン顆粒を供与することによって紫外線から皮膚を守る働きをします。尋常性白斑とは、何らかの原因で後天性にこのメラノサイトが減少または消失し、部分的に皮膚の色が白くなる病気です。神経支配領域に一致して片側性に生じるタイプと神経支配領域と関係なく生じるタイプがあります。顔面に生じた場合や体中広範囲に生じた場合は患者さんの精神的負担も大きくなり適切な治療が必要と思われます。

治療法

掌蹠膿庖症

掌蹠膿疱症は膿がたまった膿疱と呼ばれる小さな皮疹が、手のひらや足の裏に多数出現する病気で、良くなったり、悪くなったりを繰り返します。最初は小さな水ぶくれが生じ、次第に膿疱に変化してその後、かさぶたとなり、角層がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。また、鎖骨や胸の中央の痛み(胸鎖肋関節炎)を伴うこともあります。足の皮疹は水虫によく似ていますので、診断をはっきりさせるために皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫かどうか調べる必要があります。

原因としては、細菌性の扁桃腺炎、歯周炎、副鼻腔炎などの病巣感染説や金属アレルギー説などが考えられていますが、まだ確かなものはありません。多くの患者さんでは明確な原因を見つけ出すことは難しく、長期にわたる治療が必要となります。

掌蹠膿庖症の治療法

病巣感染がある場合はその治療を行います。金属アレルギーが疑われる場合は、金属パッチテストを行い、歯科金属が陽性の場合は歯科医師と相談して歯科金属を除去することもあります。
ただし、病巣感染の治療や歯科金属の除去を行っても必ずしも病気がよくなるという保証はありません。治療薬としてはステロイドやビタミンD3の外用、難治例ではビタミンA誘導体(レチノイド)、免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服や紫外線療法を行います。

ウイルス性イボ(尋常性疣贅)

ヒト乳頭腫ウイルスによる感染症で、全身に出現しますが、特に手足に多くみられます。表面がでこぼこしていて小さな多数の黒い点が見えることもあります。自然に治癒することもありますが、通常は徐々に増大したり増加したりして長期に存在します。

治療法(痛みのないあるいは軽い治療)

  • サリチル酸

    角質を軟らかくするサリチル酸を付着させ数日後に削る方法。ずれたりしなければ痛みがなく、自宅で治療可能です。

  • グルタールアルデヒド

    組織蛋白を凝固させ、ウイルスを殺菌する方法。1日数回自宅でイボに塗りながら削ります。痛みはありませんが、体質によってはかぶれを起こす危険性があります。

  • ビタミンD3軟膏

    本来は尋常性乾癬の薬ですがイボに有効なこともあります。

  • フェノール外用

    タンパク質を凝固し、強い腐食作用のある薬剤のため灼熱感や赤み、色素脱失がみられることがあります。

  • モノクロロ酢酸

    腐食作用のあるモノクロロ酢酸を2~3週間おきに塗布しイボを腐食、壊死させる方法です。

  • イミキモド外用

    別の種類のイボの治療薬ですが、こちらのイボにも効果があったとの報告があります。赤みや皮膚剥離が生じることがあります。

  • 局所免疫療法

    わざとかぶれを起こしてイボを縮小させる治療です。局所の赤み、かゆみ、ときに全身性のかゆみや蕁麻疹が生じることもあります。

  • ヨクイニン内服

    ハトムギからつくられる漢方薬で保険がききます。数ヶ月内服し、ウイルスに対する免疫力を高めると考えられています。

  • シメチジン内服

    通常胃薬として処方される薬ですが、免疫力を高める作用や抗腫瘍効果も有すると考えられています。

治療法(痛みを伴う治療法)

  • 液体窒素冷凍療法

    最も一般的な方法で、マイナス196℃の液体窒素により細胞を凍らせる治療です。当日から数日間痛みが持続するのが欠点です。1〜2週間に1回のペースで複数回の治療が必要です。

治療法(その他)

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