アレルギーとは、花粉やホコリ、ダニなどの異物が体内に入ると、それを除去しようとして体が過剰な反応を起こすことです。しかし体にとって必要な食べ物を摂取した時にも同様な反応が生じることがあります。症状としては、じんましんが出たり、口の中がイガイガしたり、重症の場合は、嘔吐や呼吸困難、意識消失を起こしたり、最悪の場合、生命にもかかわることもあります。日本人全体で1〜2%、乳児で10%、小学生以下で1〜3%ほどの患者さんがいると考えられています。ただし、成長とともに自然に治癒する場合が多く、3歳までに半分が、小学生になるまでに8〜9割の子供が治癒するといわれています。また、食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎や喘息との合併も多いことが特徴です。
アレルギーの対策
まず原因となる食物を特定して、その原因食物を除去することです。
問診や血液検査、皮膚アレルギー検査、食物除去試験や食物負荷試験などを行い、総合的に判断して原因食物を特定します。血液検査で陽性反応が出た食物をできるだけ除去しようとされている方もいらっしゃいますが、実際は原因食物でないことも多く、あくまで総合的に判断することが大切です。不必要な厳しい除去食は、栄養面で悪影響を与え、子供の成長障害が生じることもあるので注意が必要です。
また、近年では、アレルギーを起こさない量の原因食物を少しずつ増量しながら摂取することで体を慣れさせる経口免疫療法も行われるようになりました。